Thank You For The Music
2007年 03月 09日
夕方、子供たちが外で遊んでいる間、珍しく家の中でFMを聴こう、と思った。
金曜のパーソナリティは、太田裕美。
彼女はいつも、ご機嫌だ。
ちょうど、「今日の特集」の最後の曲だった。
「サンキューの日」にちなんで、「サンキュー」の曲特集。
「では、最後に私の大好きな曲、ABBAのThank You For The Musicをお送りします!」
なつかしー!
反射的に、この曲のサビが浮かんできた。
たぶん中学の頃、ABBAが大ヒットして、ビートルズが人並みに好きだった父が、ABBAのベストアルバムのカセットを買ってきた。
そのカセットを、夏休みに1日中掛けっ放しにするぐらい、気に入っていた。
おかげでうちの家族は、そこに入っていた曲をほとんど覚えてしまった。
…それだけじゃない。
聴いていくうち、かつて私は、この曲を徹底的に練習したことがあるのを、思い出した。
部分的に、歌詞を覚えていたから。
当時、アリスのコピーバンドのキーボードに誘われて、一人では恥ずかしかったので、もう1人の友達を誘って、一緒にやっていた。
その彼女と、どういうつもりだったか忘れたけれど、とにかく「いつか歌うときのために」、歌詞カードを見ながら、カセットを聴いて一緒に歌う、という練習を、毎日のようにしていたのだった。
今となっては「まさか、あなたが人前で歌うつもり?」と笑っちゃうようなことだけれど。
その時の私は、かなり真剣だった。
どのくらい真剣だったかと言うと、授業中に思わず小さな声でDancing Queenを口ずさみ、前の席の男の子に「テープが流れてきたのかと思った」と驚かれたことがあるくらい、熱心だった。
そんなに練習しても、人前で歌うなんて恐ろしいことが、私にできるわけがないじゃない。
…思春期には、今となっては説明のつかないようなことを、いろいろとしていたような気がする。
そのころ歌ってた歌詞が、今日、FMから流れる歌声とともに、するすると、記憶の底からよみがえってきた。
あの頃の私は、なんて、何も知らなかったんだろう。
…気がつくと、声をあげて泣く自分がいた。
音楽が、私にもたらしてくれた音楽以外のものに涙した、ような気がする。
素晴らしい人たちとの、出会いと、別れ。
喜びと、悲しみ。
いきいきと脈動すら伴って流れ続ける、輝かしい歌声が、今初めて、はっきりとした意味を伴って、私の心に響いたのだった。
当てもなく意味も分からず、それなのに一生懸命歌っていたおかしな中学生の私と、すでに2人の子持ちの、今の私。
その間に流れる月日を、変わらず愛されてきた、この歌。
愛すべき、奇妙な「練習」の日々…あれは結局、無駄にはならなかったのだ。
今までに私を訪れてくれたすべての出会いに、心から、感謝します。
金曜のパーソナリティは、太田裕美。
彼女はいつも、ご機嫌だ。
ちょうど、「今日の特集」の最後の曲だった。
「サンキューの日」にちなんで、「サンキュー」の曲特集。
「では、最後に私の大好きな曲、ABBAのThank You For The Musicをお送りします!」
なつかしー!
反射的に、この曲のサビが浮かんできた。
たぶん中学の頃、ABBAが大ヒットして、ビートルズが人並みに好きだった父が、ABBAのベストアルバムのカセットを買ってきた。
そのカセットを、夏休みに1日中掛けっ放しにするぐらい、気に入っていた。
おかげでうちの家族は、そこに入っていた曲をほとんど覚えてしまった。
…それだけじゃない。
聴いていくうち、かつて私は、この曲を徹底的に練習したことがあるのを、思い出した。
部分的に、歌詞を覚えていたから。
当時、アリスのコピーバンドのキーボードに誘われて、一人では恥ずかしかったので、もう1人の友達を誘って、一緒にやっていた。
その彼女と、どういうつもりだったか忘れたけれど、とにかく「いつか歌うときのために」、歌詞カードを見ながら、カセットを聴いて一緒に歌う、という練習を、毎日のようにしていたのだった。
今となっては「まさか、あなたが人前で歌うつもり?」と笑っちゃうようなことだけれど。
その時の私は、かなり真剣だった。
どのくらい真剣だったかと言うと、授業中に思わず小さな声でDancing Queenを口ずさみ、前の席の男の子に「テープが流れてきたのかと思った」と驚かれたことがあるくらい、熱心だった。
そんなに練習しても、人前で歌うなんて恐ろしいことが、私にできるわけがないじゃない。
…思春期には、今となっては説明のつかないようなことを、いろいろとしていたような気がする。
そのころ歌ってた歌詞が、今日、FMから流れる歌声とともに、するすると、記憶の底からよみがえってきた。
So I sayふいに、何かが私を襲った。
Thank you for the music, the songs Im singing
Thanks for all the joy theyre bringing
Who can live without it, I ask in all honesty
What would life be?
Without a song or a dance what are we?
So I say thank you for the music
For giving it to me
......歌詞はこちら、視聴はこちらにあります
あの頃の私は、なんて、何も知らなかったんだろう。
…気がつくと、声をあげて泣く自分がいた。
音楽が、私にもたらしてくれた音楽以外のものに涙した、ような気がする。
素晴らしい人たちとの、出会いと、別れ。
喜びと、悲しみ。
いきいきと脈動すら伴って流れ続ける、輝かしい歌声が、今初めて、はっきりとした意味を伴って、私の心に響いたのだった。
当てもなく意味も分からず、それなのに一生懸命歌っていたおかしな中学生の私と、すでに2人の子持ちの、今の私。
その間に流れる月日を、変わらず愛されてきた、この歌。
愛すべき、奇妙な「練習」の日々…あれは結局、無駄にはならなかったのだ。
今までに私を訪れてくれたすべての出会いに、心から、感謝します。
by caroline-h
| 2007-03-09 23:00
| 音楽