娘が年長の時に描いてくれた私(本物より美人、ありがと☆)コーチ&子育て主婦の小さな思い。コメント・トラックバックは承認制です。リンクはご自由に。【コメント欄には"http"を記入できません】


by Caroline-h
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火事だ!

こないだの、ヴァイオリンレッスンの日。
娘と仲良し同級生の、前の生徒さんのレッスンが終わるのを、待っていたときです。

発表会が間近に迫って、全員の身長(舞台上の並び方を決定するのに必要)と、グループ演奏の曲目を書いた表(!)が置いてあったので、そうっと取って来て、おとなしく椅子に座っている娘と一緒に確認しようと、ふと顔を上げて、娘の向こうに見える窓を見たら…

左半分閉まったカーテンの、残り右半分の窓に「ちら」っと、やけに黒い雨雲が、低く低く垂れ込めていました。



変な雲だなぁ…?
雲の全体像を見てみよう。
身を乗り出して、左半分の方を覗き込んでみました。

…黒い黒い大きな雲と、その下のほうに、「めらめら燃える赤い炎」が!!!!!

思わず悲鳴をあげそうになって、あわてて口を押さえました。
なぜか?

まず、ガラスごしの煙と炎は、教室からたっぷり数百メートルは離れていて、風も向こうへ向かって吹いていて、とりあえずは安全だと思ったから。(イラク戦争をテレビで見る、というのと似た感覚です…)

炎は、遠く2階建てと思われる建物の向こうから見えていて、「ぼや」という程度ではすでになく、吹き上がる黒煙は窓全体を覆うかと思われるほどの勢いだったので、どう見ても私が今通報する必要はなく、すでに誰かが通報済みと思われたから。

それから…

だって今は、ヴァイオリンのレッスン中。
この先生のレッスンは、必ず生徒が録音(録画)して持ち帰ることになっています。
この生徒さんは娘よりはるかに進んでいて、難しい込み入った曲を、熱を入れて練習中。
しかも、レッスン後には塾に直行、というスケジュール。
だから、邪魔するわけにはいかない。…そう思いました。

…娘に目配せをして、指差して見せました。息子にも。
二人とも、当然、ものすごく驚きました。が、賢明にも、声を出しませんでした。
息子は窓に走りよって、目を皿のようにして見ていました。

レッスン中の親御さんにも、ご迷惑とは思いましたが、目配せ。
彼女ももちろん、非常に驚きましたが、熱心なレッスンを中断させることはさすがに躊躇されたのか、私と目を合わせながら、無言で「どうしようか?」

私 「もう、誰かが電話してると思いますよ」<無言でジェスチャー
彼女 「そう思います?」<同上
私 「あ、消防車来ました来ました!」<小声で実況中継
彼女 「ほっ」<無言で

しかし…大きな黒煙がもくもくと吹き上がり、しばらくは炎の勢いも増すばかり。

それから約5分ほどたって、ようやくレッスンが終わったとたん、
彼女 「先生、タイヘンなことが起こっているんです!」

それから5分ほど、先生・子どもたち・親がそろって、窓の向こうの黒煙と炎を、驚きつつ、しかしなす術もなく、じーっと見守っていました。…

子どもたちは、生まれて初めて見る本当の火事、しかも距離は遠くてここは安全ではあるものの、ものすごい黒煙と炎に、大きなショックを受けている様子。

先生 「あれは、お気の毒だけれど、全焼だわね…」
私も、そう思いました。
先生 「誰か、亡くなったり怪我されたりしている人がいないと、いいんだけど」
本当に、そう思うと胸が痛みます。
そうでなくても、モノが一瞬で燃えてしまって灰になる、これは大変なショックでしょう。

しばらくして…
先生 「本当にお気の毒だけれど、ずうっと見ているわけにはいかないから…レッスンはレッスンで、こちらはちゃんとやりましょうね」

で、娘のレッスンが始まりました。

妙な気持ちでした。

アメリカの例のテロの時、窓の向こうでツインタワーが燃えているのに、先生の指示でそのまま高校の体育の授業を受けていた、という手記のことを、思い出しました。

これは、世界中のあらゆるところで起きていること。
これが、現実なんだ。

途中で、激しいサイレンが2度ほど、前の道を通りました。

徐々に炎は見えなくなり、黒煙も勢いを失って、次第に白く、頼りない煙に変わっていきました。

その様子を息子はずっと、窓にかじりついて見ていました。

娘は窓を背にしてレッスンを受け、一段落ついたところで先生に促されて、小さくなった白い煙を見ました。
…少し残念なような、安心したような表情になりました。

空にはいつしか、4台のヘリコプターが行き来していました。

レッスン後。
夜遅くなるのは分かっていましたが、歩いて数百メートルの現場を探して、私は子どもを連れて見せに行きました。
焼けた現場を面白がる野次馬根性、と誤解されたら困るのですが、あれだけのショックを受けた子どもたちに、きちんと顛末を見せておかなくては、と思ったからです。
亡くなったり怪我した人がいらしたら、どうしよう、とは思いましたが…

初めて行く場所なので、多少迷いながらでしたが、たどりつくことができました。

焼け落ちた資材置き場のような場所が立ち入り禁止になっていて、周囲には沢山の消防車と消防士さん、警察官の方々。
殺気立つような緊張はさすがに解けて、ほっとしたような空気は流れていましたが、一方で、現場の奥の、溶けてぐにゃりとゆがんだ黒い鉄骨のむこうでは、「じゃーじゃー」と音がして、細く白い煙が立ちのぼり、今なお水をかけている様子が伺えました。

そのせいか、すぐ前の道は洪水の時のように水が流れ、電柱の上には電線を切る作業をする人。
下を歩く人には、「火花が散るから危ないぞ!」と声をかけていました。

…現場を一通り見て、子どもたちは「もう、いいから帰ろう」と言い、私も怖くなったので、帰ってきました。

深夜ネットで調べて見たら、燃えたのは自動車塗装会社。
シンナーが爆発したために、大きな炎が上がったようです。
不幸中の幸いなことには、死傷者なし、でした。
 TBSニュース http://news.tbs.co.jp/20070709/newseye/tbs_newseye3605200.html

翌日の新聞・テレビで、このニュースを見ることはありませんでした。
当日は、いくつかのテレビ局で、生中継があったようですが、翌日あえて取り上げるほどのニュースではなかったようです。

こんなことは、一生に何度もあってほしくはありません。
が、子どもたちに何かが残ったこと。それをどうするか、どうなるか。
そういうことに、関心を持ち続けていたい、そう思います。

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実は、私も子どもの頃、火事をまのあたりにしたことがありました。

車で現場を通りかかり、「あれ、屋根から火が出てるよ?」

車を止め、ぱらぱらと出てきた近所の人が、消防署に通報したのを確かめて、見ていました。
携帯電話はまだ、ありませんでした。

屋根から火が出ていて、誰にも、水をかけようがありません。
…いや、集まってきた人たちでバケツリレーをしていた記憶が、今よみがえって来ました。
もしかして私たち子どもも、手伝ったかもしれない。
しかし、バケツの水では到底、屋根からあがる炎にかなわなかったのです。

結局、私たちの目の前で、そしてどんどん集まってきた沢山の野次馬の人たちの目の前で、木造のお寺の炎はどんどん燃え広がっていきました。
ほぼ全部から炎が上がるようになって、ようやく数台の消防車が駆けつけ、消火活動が行われて…
結局、鎮火するまでの一部始終を見ました。

そのときの体験があったから、今回もあわてふためくことがなかったと思うし、子どもたちにも最後まで、見せておきたかったのです。

…とりあえず。
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by caroline-h | 2007-07-12 00:48 | つれづれ・ハプニング