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娘が年長の時に描いてくれた私(本物より美人、ありがと☆)コーチ&子育て主婦の小さな思い。コメント・トラックバックは承認制です。リンクはご自由に。【コメント欄には"http"を記入できません】


by Caroline-h
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ハロウィン祭り

ハロウィン祭り_b0009665_22405583.jpg地元商店街のハロウィン祭り、今年で2回目。
子供たちの仮装の様子。
魔女と海賊と、マジシャン?…

昨年娘は、仲良しのお友達に誘われて
おっかなびっくり参加しました。
親の私も、どんな仮装をさせればよいのか見当もつかず、道具もなく、いつものワンピースに私のスカーフを巻いて出かけました。
去年誘ってくれたお友達は、ばっちり黒づくめの魔女の格好をしてきたので…今年、彼女は
どうしても、魔女の格好がしたかったのです。



今年の彼女は、去年の発表会で着た黒のワンピースに、昨日生地屋さんで買った黒い布に穴を開けてゴムを通しただけのマントをかけ、ペンダントをし、…
意気揚々と出かけました。

ハロウィン祭りでは、事前に整理券が商店街で配られて、仮装して来た人(大人も子供も)が、整理券の地図を見ながら、商店街でスタンプラリーをします。
スタンプと引き換えに、それぞれのお店に用意されたお菓子が1つずつ、もらえます。
最後に仮装コンテストの審査を受けて、住所氏名を書いた紙を提出して、輪投げとボール投げをして景品をもらって、おしまい。
子供たちはメイン会場の公園で、今日せしめたお菓子を、無我夢中で食べてました。

最後に、仮装コンテストの発表がありました。
親の私は、黒い魔女はとても多いから、何ももらえるわけがないと思っていました。
しかし娘は、自分の格好がとても気に入っていて、何かしら賞がもらえるはずだと思って
いました。
昨年は、ピンクの普段着に赤紫のスカーフといういでたちが、黒の多い中で幸いしたのか、焼肉屋さんの割引券がもらえたんです。
だから、今年は、もっといいものがもらえるに違いない…。

ハロウィン祭り_b0009665_2345434.jpg優勝した女の子は、なんとレンジカバーをダンボールの周りにぶら下げて、その中に自分で切り抜いたらしい模様を貼り付け、手首足首にはアルミホイルを巻き、頭には保冷バッグを
切り抜いた物をかぶっていました。
天晴れな格好で、誰が見ても優勝にふさわしい力作を、
さらりと(笑)着こなして(?)いた素敵な笑顔が、
また魅力的な女の子でした。

2位、3位…と、フリフリドレスの女の子たちや、マイケルジャクソンに扮した子達が受賞し、最後に特別賞の人の分の整理券の束が、司会の人に手渡されました。
娘は、「今度こそ…」と息をつめて、見守っていました。

10人以上の名前が呼ばれましたが、半数以上がもう会場にいません。
が、その中で…なんと、彼女のクラスメイトの女の子たち2人が名前を呼ばれて、壇上に登りました。
しかも、黒っぽい魔女の格好をして。
そのうちの1人は、昨年、娘を誘ってくれたお友達でした。
そして、娘は…昨年のハロウィン祭りの直後、その子と絶交したままだったのでした…。


娘は、はっきり物を言っているように見えますが、彼女自身のテンポはひどくゆっくりしていて、日常の動作も、まるで夢を見ているように、ゆっくりのんびりしています。
対してその子は、反射神経が鋭く、何事も待つという事をしません。
思い立ったら、即実行。
親の私が見ても正反対で、これでうまくいくのかなぁと思って見守っていましたが
…ある日。
娘が泣きながら帰ってきて、「もう、明日からは絶対に、一緒に学校に行かない!」と
泣き崩れました。
その子が何気なく言った言葉に傷ついた彼女は、結局一言も自分の気持をその子に直接言うことができず、それまで溜まりに溜まっていたものをその子に知らせることもなく、
…次の日からは、他の子と登校を始めました。

私は何度も、「その子が悪いんじゃない。あなたが嫌だということを知らせないから、気づかないだけで、その子だって意地悪のつもりなんじゃない」と言い、その子にもお母さんにも、私は何も言いませんでした。

…先生方からして「お互いが助け合い、仲良くしましょう」が徹底していた幼稚園から、
「××くん、何度言ったら分かるの!いいかげんにしなさい!もうそういうことばっかりしてるから、あなたはいつも…」と、1日に何度となく叱られる声を耳にし、お友達の悪気のない、しかし容赦ない言葉の洪水が溢れる環境に入って、すっかり人間不信になってしまった娘は、もう私の言うことも信じられなくなっていました。

それ以来、娘はその子の悪口を言い、その子がなにか失敗したことを、鬼の首を取ったように言ってきました。
日常生活も、つっけんどんで容赦ない言葉で溢れるようになりました。
それを聞くたびに、私はやりきれない思いで
「ママ、あなたにそんな意地悪そうなこと言って欲しくない。あなたが失敗したら、そういうふうに悪口言われたいの?そういうお友達のこと、好き?あなたはそういう女の子になりたいの?」と言います。けれど、娘は、
「でも…私ばっかり悪口言われて、…ずるいよ、私ばっかり我慢して…」と、最後には
いつも、泣き出してしまうのです。
私は娘を抱きしめて「ママはあなたの味方なんだから、ね」と言うのが、今までに何度も
繰り返されたパターンでした。


今日、娘は、元お友達の受賞を目の当たりにして、…泣き出しました。
私はまた、いつものように、彼女を抱きしめました。
彼女は「ずるいよ…」何度もそう言って、悔し涙を流していました。

帰宅してから私は、「誰も、ずるいことなんかしてないのよ。お友達も、審査員の人たちも。それに、1位の人は、魔女なんかじゃなかったじゃない。」と言いました。
すると娘は、「…よし!もう絶対に、来年の仮装を自分で考える!そうだ、体がかぼちゃで、頭もかぼちゃで、メガネもかぼちゃで…そして…」
「…でもね、それでも、優勝するとは限らないのよ。選ぶのはあなたじゃないんだから」と言うと、娘はひどくびっくりした顔をし、そして、一瞬、がっかりしたように見えました。
しかしすぐ気を取り直して、「絶対に、今から考える!」と、思いつく限りのアイディアを話し続けました。…そうすれば、自分の思いが報われるかのように。


いつか、「でんでんむしの悲しみ」という本の思い出とともに美智子皇后が語った
「人は、複雑さに耐えて、生きていかねばならないのだ、ということを悟った」
という言葉が、私はとても好きです。
この世は、自分には理解できないもので溢れている。
だけど、人は皆、幸せになりたかったら、その事実を受け入れ、その存在を受け入れ、
耐えて生きていかねばならないのだ、と思います。

娘にもいつか、それが分かってくれる日が来てくれたら、と心から願っています。
by Caroline-h | 2004-10-24 23:57 | イベント