娘が年長の時に描いてくれた私(本物より美人、ありがと☆)コーチ&子育て主婦の小さな思い。コメント・トラックバックは承認制です。リンクはご自由に。【コメント欄には"http"を記入できません】


by Caroline-h
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日本和装 5回目覚書・帯セミナーは楽しいな

b0009665_0374052.jpg蚕の繭を、いただいて参りました。
これが、絹糸のもと。
セリシンで固められているので、まずこれをゆでて、「糸口」を探して、1本の糸を途中で切らないように、そうっとそうっと手繰り寄せて巻き取る。
詳しくはこちらに。



今日はいつもの教室ではなく、立川支局?に洛陽織物という西陣帯の織元さんがいらっしゃいました。
この道40年の梅津さんという職人さんが先生になって、実際の帯とともに、製造工程や帯の種類などを解説してくださいました。

洛陽織物は、京都でも数少ない100年以上の歴史を誇る織元さんだそうで、社屋は伝統的な京町家。
お庭には水琴窟(すいきんくつ)なるものがあって、水をたらすと妙なる響きがするという。

…てあれでしょ?つくばいみたいなもの?…と思っていた私は、大間違いでした!
こちらで音が聞けます!

仰天。なんなのこれ?…これは機会があったら、ぜひ聞きたいな~。

さて梅津先生、ご本人は「先生じゃなくて職人です」と、いくらか誇りをこめておっしゃっていましたが、お話が楽しくて。

「買物するときには、午前中に」
なんでですか?
「目が慣れてしまうから。図案から実際に織り込む色の糸を決める作業をするときは、午前中せいぜい2~3時間しかしません。それ以上やると、目が慣れてしまって訳が分からなくなりますから」

…実際の図案、見せていただきました。(このへんのお話は、こちらの「作業風景」でくわしく見られます)

はっきり言って、ミリ単位の方眼紙が、延々…
図案作家の方が絵の具で書いた図案を、織元が入札で競り落とし、そのフリーハンドの図案から、今度は職人さんが手書きで、方眼紙に起こすんだそうです。
絵の具で、てん、てん、てん…の塗り絵。
色がぼかされていたら、てんてんでぼかしを作る。

祇園祭の光景を織り出した、見事な帯がありました。
さまざまな様子が、繰り返しの図案でなく、物語のように織り出されていました。

その図案の一部を見せていただきました。
やっぱり、てん、てん、てん、てん、果てしなく続く…
まるまる一本分、何メートル(尺か)もが、四角いてん、てん、てん…

「フロッピー」という字を目撃したから、最近は図面をパソコンで起こすこともあるんだろうな。

しかし実際どの色の糸を使うか、これは生身の目でないと無理ですね。
さっきの祇園祭の帯で使われていた、色糸の種類といったら。
…絶句です、これはもう。無理です。
すんごく綺麗なんだけどな~。すごすぎます。

職人さんが使うレンズで覗いてみると、ほんとに方眼紙と同じてんてんが、糸として織られていました。

こういう綺麗な帯は、外国の大金持ちのインテリア用に高く売れると思う。
だってほんとに芸術品だもん。飾って毎日鑑賞することに、ちゃんと堪えられると思います。

それから。
しっかりと作られた糸は、束を握っただけで「きゅっきゅっ」と大きな音をたてます。そう、いい帯を締めたときと同じ音。
それが、いまいちの作り方をされた糸だと、握っても「ぐにゃ」…つまり普通の糸。
うわーこんなに違うんだ。

和紙を横糸に使うこともあるらしい。
金箔を貼ると、こんな感じの工程なのかな。
ちなみにこのページの最上段と同じ、まぶしい金糸の束を思いっきりぎゅーっとにぎったら…
「きゅきゅきゅっ!」って言いましたよ~!うわーうわー。

b0009665_1491598.jpgおいしいお昼ご飯、確か1100円なり。

午後は、好きな帯を手に取り、同じ織元さんのお召しの生地の中から好きなものを選んで、コーディネートしてみる練習。

…これが全然。
まずどの帯を選んだらいいのか、まったくわかりません。
いいって言っても、似合うって言っても…
結局植物のイメージで、ぶどうの実と葉とつるの文様を選びました。

さっそく梅津さんにつかまり、「どの帯締めが合うか、好きなのをもってきなさい」
…そんなこと言ったって…どれがいいやら、さっぱり。
見かねた梅津さん、いろいろ持ってきてあわせてくださいました。

思ったより、コントラストがはっきりしたほうが映える柄なんだな。

え?「着物の布地をあっちから選んでらっしゃい」って?
また難しいことを…どれもこれもくすんだ色で、はっきりした柄じゃないから…わかりませ~ん。
ベージュ系とピンク?系のぼかし模様と、シルバーとくすんだ小豆色が混ざったようなお召しの生地を持って、右往左往していると…

梅津さん「何そこでうろうろやっとんねん!早く選んで来!はよきめんと余計決まらんよ」
だってぇ…ええい、3つとも持ってけ!(笑)

梅津さん(いつの間にか専属)「はよどれかひとつ選んで!」

梅津さん「はよせんと。わしが選ぶなら、もうきまっとるけどな」
そうでしょうとも。え~っと。…グレーにします。洋服でもグレー着るから。

梅津さん「じゃ、ここに立って」
…鏡の前に立つと、襟の形をしたものが襟元に当てられ、その上から着物地が折りたたまれながら着物のような形に乗せられ、帯も前から当てて、おはしょりの形に折られた布で抑えられ、帯締めをしめて、…鏡の中は、まるでほんとに着物を着ているよう!

梅津さん「わしら女の人の体に巻きつけるの、一番気を使うねん。やりにくいんよ」
ああそうですか。でも私だったら、あんまり女っぽくないから(特に体型)やりやすいでしょ?
…それでも何度も、「やりにくい」とおっしゃっていましたが。

よく考えたら今日は梅津さん、黒一点、だったのでした。
「やめて!」なんて怒鳴られたこと、もしかしてあったのかしらん。

これいいなぁ…思ったのと全然、違って見えるわ。折り目で陰影がつくかんじ。
梅津さん「でしょ?生地見ただけでは、わからんのよ」

写真が撮りたかったけど、そういう余裕がなく。後悔しています。
すんごくよかったんだもんー。

こうして、梅津さんの京都アクセントとやり取りしているうちに、私も両親のルーツが四国なので、「これええわー」「どないしょ?」などと、妙な西の言葉になってきてしまい…こりゃえらいあかんわ~。

このままいけば、きっと着物や帯を薦められる算段だったのですが、…水曜日の悲しさ、子供たちが早く帰宅するし、そのあと習い事の送迎をするからという理由で、わずか30分で退出となってしまいました。
セミナー開始前に、きちんとお話して了解いただいていたので、「2時やったな」と何度も気を使っていただいたのですが…

梅津さん、着物地をほどきながら、他の人に「この人、これがえらい気にいっとんのやけど、時間がないのやて!」
…無念の表情。

ごめんなさい。ほんとうに勉強になりました。ありがとうございました。
うーんと宣伝しときますから!
…と言ったら、嬉しそうに笑って思いっきり背中をはたかれました。
あたたた。

そうそう、売るなら売るで、「買うこともできます」なんて小さい声で後ろめたそうに言うんじゃなくて、自信を持って「売ります」って、最初から言えばいいのにね。
ものはいいんだし、せっかく作ったものを、皆に使ってほしいんでしょ。
嫌がる人に、無理やり売りつけるのでなければ、もっと堂々とすればいい。
私もいちおうサービスを売っているので…気持ちがわからないでもない。

なぜここが、日本和装のこの企画に参加しているかというと
「着物の流通段階(卸・問屋)のほとんどは、いまだに男性が牛耳っていて、これがいいあれがいいと言っている。着物を着る女性が、そこには全然いない。だからこういう場に来て、実際に着てくれる女性の生の意見が聞きたい。どんなものがいいのか嫌なのか、はっきり言ってほしい」

新しく入った若い職人さん(女性!)の作るものは、たしかに色柄がシックで、現代風のものが多い。
「アンアン・ノンノのようなもの見て作ってるから」「わたしらの時代とは違う」「それは仕方がない」
だから、「柄については何にも言いません。言うのは色だけです」…だそうな。

こういう「チャレンジャー」は、応援したくなりますね。


まだまだ書ききれないことがあるのですが…

とりあえず感想。
非常に楽しかった。ありがとうございました!
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by caroline-h | 2006-11-02 00:52 | お勉強