娘が年長の時に描いてくれた私(本物より美人、ありがと☆)コーチ&子育て主婦の小さな思い。コメント・トラックバックは承認制です。リンクはご自由に。【コメント欄には"http"を記入できません】


by Caroline-h
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ピッちゃん

b0009665_23395459.jpgお待たせしました!
皆さんのあたたかい投票の結果、
「好きな金魚ナンバーワン」は、
このピッちゃんに決まりました!!!

少々ピンボケですが、
許してやってくださいませ。
お約束どおり、息子が撮った写真です。




このうれしい結果を、できればピッちゃん本人(本魚?)と一緒に喜びたかったのですが…

かわいいピッちゃんは、もうこの世にはいません。
思いがけずこの投票が、ピッちゃん最後の思い出になってしまいました。


今回私たちは、ピッちゃんの具合がおかしくなったのに気づいてから、できるかぎり最期の時まで、ずーっと見守っていました。
生き物が息を引き取る瞬間を見届ける、というのは、私にとっても初めての経験で、
言葉にはしきれないたくさんのことが、私の心に刻まれた気がします。

ピッちゃん、本当にありがとう。

感謝の気持ちをこめて、ピッちゃんの最期をここに残しておこうと思います。

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異変に気づいたのは、7月4日の朝。
楽しかった五嶋龍のコンサート翌日のことでした。

ピッちゃんが、自力で泳いではいますが、水槽の水流に少し流されているように見えたのです。
「ピッちゃん、泳ぎ方がおかしいよ?!」
「ほんとだー…流されてる…」

夕べはコンサートに行く前にえさをやり、特に変わった様子は見られませんでしたから、突然のことに私たちはショックを受けました。
どうしちゃったんだろう…。

もし何も予定がなければ、私はすぐにペット屋さんに行って、店員さんに対処法を聞くなり(金魚は獣医さんよりペット屋さんの方が確実)、薬を買うなりするつもりでした。が…

あいにくその日は、娘のクラスの社会科で、グループ行動の「ゴミたんけん」の付き添いをすることになっていました。
もちろんボランティアですが、その日来られる保護者の数で、子どもたちのグループ数を調整してありました。
いきなり「金魚が心配だから休みます」と言って、楽しみにしている子供たちをがっかりさせるわけにもいきません。

後ろ髪を引かれる思いでしたが、とにかくまだ自力で泳いでるんだし、社会科は2時間目までだから、急いで帰って来よう…と家を出ました。

…楽しい「ゴミたんけん」を終えて帰宅すると、ピッちゃんがいません。
どこ?どこ?!…

なんと、フィルターの吸水口に、ピッちゃんが張り付いて動けなくなっているではありませんか。
これは急がないと!

まず、フィルターのスイッチをオフに。
すると、ピッちゃんはよろよろと離れて、水中を頼りなく泳ぎだしました。
ああよかった。
全然動けないわけじゃないんだ。

しかし、弱っていることには変わりありません。

b0009665_0173785.jpgこの大きな水槽の水が汚れているせいかもと思い(ろくに掃除してないし)、昔使っていた小さい水槽(というか虫かご兼用)に、新しく水を入れ、カルキ抜きの薬剤を入れ、ピッちゃんを移しました。
(あとから「移したことがきつかったのかもしれない」と気付いたのですが…)

弱弱しいけれど、まだ泳いでいる、大丈夫生きてる…。
そうそう酸欠にならないように、ブクブクポンプを入れなくちゃ。

…そのポンプが、なんとなんと、見つからな~い!
確かに大事にしまった記憶はあるものの、大事すぎて?行方不明。

…5分ほど探して、すっぱりあきらめました。
ピッちゃんの命がかかっている。ぐずぐずするわけにはいかない。
ペット屋さんにポンプを買いに行って、話を聞こう。

車で片道約20分。
飛ばしました。

あのう。かくかくしかじかなんですけど…
「う~ん…それはきびしいですね…。動きが鈍くなった時にすぐ対処すれば、まだなんとかなったかもしれませんけど…」
でも夕べは、ちゃんとえさ食べてたし、泳いでたんです…。
「見てすぐわかるような病気がなくて、そうなっちゃった場合…しばらく前から弱ってたのかもしれないですね」

言われてみれば、ここしばらく、数ヶ月という単位で見ると、以前はすばしこかったピッちゃんが、最近は他の金魚とあまり変わらなくなり、口をあまりパクパクしなくなり、えさを食べる勢いも弱くなっていたことに気付きました。
変化があまりにも緩やかだったので、変わったことには気づいていたけど、変だとは思わなかったのです。

…今、どうしたらいいんでしょう?
「そうですねぇ…塩水浴(弱った金魚によく施す、軽い不調ならこれで回復する)というのがありますけど…でもこうなっちゃったら、かなりきびしいですね…できるだけのことをしてあげる、そういう感じになっちゃいますね…」

そう、なのか…。

とにかくポンプを購入して、猛ダッシュで帰宅。
…!!!

b0009665_0363696.jpgもう、浮かんでいます。
死んじゃった…?!
よく見たら、まだ動いています。

この写真は、ピッちゃんがまだ自力で必死に体を
動かしていた頃の、最後の写真。

こうやってしばらくぷかーっと浮かんでいると、エネルギーがたまってくるらしく、時々思い出したように少し泳いで、そして力尽きて、またぷかーっと…。
思い通りにならない自分の体、その状況が理解できなくて、見開いたままのかわいい目が「いったい、どうして?」と言っているように見えました。

人の臨終の場に立ち会ったことはありませんが、人が死ぬ時もそうなのかなぁ…。

そうこうしているうちに、子どもたちが帰宅しました。
もうだめだと思うと告げると、彼らは泣き出しました。

しかし息子は、友達と遊ぶ約束をしてきたと言います。
どうする?と聞くと、「やっぱり遊ぶ」と言います。

…じゃあ、あとどのくらいもつか分からないし、今日は6時間だったから、これ以上遅くなると、お友達が心配するよ。
遊ぶなら、ぐずぐずしてないで、行って来なさい。
でも、帰ってくるまでに死んじゃうかもしれないから…さよならを言ってから、行きなさい。

息子は泣きながら「さよなら」を言い、急いで出て行きました。

b0009665_0482615.jpg娘は泣きながら水槽の横に座り込み、「ピッちゃん!ピッちゃん!死なないで!がんばって!…パクちゃんもマダランも心配してるよ…死んじゃだめだよ…ピッちゃん、ピッちゃ~ん…」

3時半過ぎに帰宅した彼女は、それから2時間あまり、だんだん動かなくなっていくピッちゃんを見つめていました。

最初は、かなり時間を置いて、突然泳ぎ出したりしていました。
それを見て娘は、「だめかもしれないけど、でも、治ってきたのかもしれない!」と一縷の望みをつないでいました。

けれどそのうち、いくら待っても泳ぐ姿が見られなくなってきました。
そうなってもまだ、えらぶたが力強く拍動していて、命が燃えていることがわかります。
あまりに力強いので、全身の弱った姿からは想像もつかないほどです。
「ピッちゃん!無理しちゃだめだよ?少し休んだほうがいいよ!」
…でも、そこが動かなくなったら、死んじゃうんだよ…。

だんだん、えらぶた全体が動いていたのが、勢いはそのままなのに、動く範囲が狭くなってくる。
「どっくん、どっくん」の力強さは変わらないけど、よく見ると、えらぶたの元のほうが動かなくなってきている。
心臓って、ほんとうにすごいんだ…全然テンポが変わらない…死ぬときは、だんだん遅くなるものとばかり思っていたのに。

そして、長い時間をかけて…とうとう、えらぶたの先のほう、本当に薄い先っぽのほうだけが、コンマ何ミリ単位で動く様子が、かろうじてわかる…という状態になっていきました。

それから、どのくらいの時間がたったのかはわかりません。
肉眼ではもう、どこが動いているのか、まったく分からなくなりました。

「…××ちゃん。…もう、動いてないよ…。ピッちゃん、死んじゃったんだよ・…」

娘はやはり、声を上げて泣きました。

ひとしきり泣いたあと…ふっと表情をひきしめて、彼女が言った言葉。
「もう、ピッちゃんの話は絶対にしないで。思い出しちゃうから」

そしてもうそれ以後、彼女は決して涙を見せませんでした。
笑顔さえ、見せたのでした。

手当てを始めたお昼前には、ベランダからのあふれんばかりの光があったのに、…もう外は、夕闇に沈んでいます。

息子が帰宅して確認したあと、ピッちゃんを、我が家のペット墓地になっている、ベランダの植木鉢に埋めました。

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埋める時になって。

浅い植木鉢だったので、思いがけず、去年埋めた小さな金魚が出てきました。
最初はぎょっとしましたが、よく見ると、きれいなミイラになっていました。
気持ち悪いはずなのに、なぜか少しほっとして、うれしくなりました。

b0009665_144990.jpgこれは、煮干だ。
死んだら、こんなにきれいになるんだ。
よかった。
ピッちゃん、よかったね。

…妙に思われるかもしれませんが、なきがらを見て美しいと思えた自分が、なんだか幸せな気分でした。


最近読んだ新聞のコラムに、タヒチだかに移住した方の文章がありました。
(手元にないので、あとで図書館で入手するつもり)いわく、
ここではあちこちに、ひき殺された小動物の死体が転がっているのが日常だ。
はじめは気味悪かったけれど、最近は、つまんでポイできるほどに、慣れてしまった。
あまりにも動物の死体を見るので、そのせいか今では、死ぬことが前よりこわくなくなった。…
…これと、同じことかもしれません。
本当に本当に、よかった。

b0009665_1404337.jpg翌朝娘は、ピッちゃん追悼のピザパンを作りました。

お尻から伸びているのは、もちろん、アレです(笑)
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by caroline-h | 2006-07-20 23:58 | 生きもの