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娘が年長の時に描いてくれた私(本物より美人、ありがと☆)コーチ&子育て主婦の小さな思い。コメント・トラックバックは承認制です。リンクはご自由に。【コメント欄には"http"を記入できません】


by Caroline-h
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ケニアン・ファンタジー

さっき、7月クラスが終わったばかりで、そのことを書こうかとも思ったのですが、
関係ない人には、どうでもいい話題なので…(笑)
前から書きたいと思っていた、打楽器大好きのお話をしたいと思います。



昨年11月23日、あ、文化の日ですね、この日の日経新聞朝刊の文化面に、
ジャズピアニストのハンク・ジョーンスの文章が載りました。
正確には、彼の文章を、どなたかが日本語訳したんでしょうけど。

タイトルは、「即興ジャズ 生涯現役 ◇86歳“最高齢ピアニスト” 無限の音楽ワールド」
なんでこんなに詳しく書けるかというと、内容があんまり面白かったんで、
この記事を、スクラップしてあるんですよ。…この、マメじゃない私が!(笑)

マリリン・モンローが、ケネディ大統領の誕生パーティで歌った、
あの有名な「ハッピー・バースディ・ミスタ・プレジデント」の伴奏をしていたとか、
それはもうたくさんの有名人が出てくる、興味深い今までの生い立ちに加えて、
仰天したのが、最後のくだり。

…「あと二百年は弾きたい」
 私は六歳年上の妻と二人暮らし。ピアノの練習は朝の日課だ。…(略)…
もっといい演奏ができるはず、という思いが常にあり、引退など考えたことが
ない。…(略)…実はあと二百年はジャズをやりたいと思っている。
八十六歳なんてまだ子ども。本当にそう思っているのだ。

この何日か後、ちょうどその頃夕刊だかにコラムを連載中のピアニスト・中村紘子が、
ハンク・ジョーンズの文章に、やはり強い感銘を受けた、ということと、
「ジャズピアニストは、ピアノをあまりに打楽器的に扱うのが、ちょっといやなんだけど」
的なことを、書いていたのです。
…こちらもスクラップしておけば、よかったのになぁ~(笑)

それで、ようやく本題なんだけど、私は、ピアノを打楽器的に扱うのが、いやじゃないんです。
むしろ、好き。
だから、この中村紘子の文章を読んだ時、
「へぇ、そうなんだー。そうか、そうすると私は、打楽器的なものが、好きなんだなー」
と再確認したんです。

いつから、好きだったのか…わからない。
気づいたら、鈴とか、タンバリンとか、ギロとか、クラベスとか、マラカスとか、
そういう類のものが、大好きでした。
学校でも、ヤマハの音楽教室でも、合奏するたびに、エンジョイしてた。
周囲のほかの子と比べても、楽しんでいたほうだと思う。

そうこうするうちに、忘れもしない5年生になったある日のこと。
音楽教室では、幼児科・ジュニア科各3年を終えて、上級科の2年目だったはず。
「リズム感をよくするために」
月1回のドラムレッスンを受けることになった、と言われました。

細かい事情は、当時子供の私にはわかりません。
全部で、10人もいたでしょうか…いやもう少し、少なかったかもしれません。
月一回、東京からいらっしゃる、細身で色白で、メガネとおひげが真っ黒のK先生に、
楽しいレッスンを受けることになりました。

最初のうちは、トライアングルやなんかで、3つとか、4つとか、刻む練習がありました。
「たとえば4つ、ハママツ、ハママツ…って言いながらたたくんだよ」
そしたら、口の悪いおねーさんのKちゃんが、「先生のこと、ブオトコ、ブオトコ…」(笑)

ドラム各部の名称や仕組、組み立て方なんかも習いました。
スティックは、自分用のを買ってもらいました。
ドラムの譜面の読み方も習いました。

そして、初めてドラムをたたく練習は、
左足で、ハイハットシンバルを踏み、
右足で、バスドラムを刻み、
右手は、交差して左側のハイハットシンバルをたたき、
左手は、おなかの前のスネアドラムをたたく、
「ツ、ツ、タ、ツ、 ツ、ツ、タ、ツ」…いわゆる簡単な、ロックのリズムでした。

毎回宿題が出て、私はとても熱心に練習しました。
この、両手両足が別々のリズムを刻む、というのが、最初はとてもむずかしい。
簡単な曲といっても、時々、「オカズ」あるいは「フィル・イン」と呼ばれる、
ところどころの飾りのようなリズムを、手のほうでは、たたかなくてはいけませんし。

ピアノの部屋のソファにすわり、電話帳をテーブルに載せて、
…怠け者の私が(笑)毎日のように、一人で練習を続けました。
このリズムがたたけるようになった時の、うれしさといったら。

2年後の発表会では、全員が2曲ずつをたたきました。
練習は、テープにあわせてだったと思うけど、発表会は、生だったかどうか、
今では覚えがありません。
曲目は、「レディ・マドンナ」と、「シバの女王」。
今でも覚えている気がするから、たぶん、少しはたたけると思う。上手下手はともかくね。

そして私は、レッスンが終わってしまうのが、残念でなりませんでした。
続けたかったなぁ…。

余談ですが、その後中学・高校を卒業し、上京し、大学卒業後に就職し、
社会人吹奏楽団と、ビッグバンドに入って…ある日。
その練習場は、ヤマハ音楽教室の一室だったのですが、練習前に、他の教室を
のぞいて歩いていたら、…あの、なつかしいK先生を、見つけました!
大好きな先生だったから、一目でわかりました。
レッスン中。…ひとことお礼を言いたかったけど、私の方の練習時間は迫っていて、
K先生のレッスンは、まだ終わりそうにありませんでした。
あ~あ。なんとかして、お会いするべきだったな。
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今日のタイトル曲は、高校吹奏楽部の先輩でもある、伊藤康英さんの曲です。
正確にはこれは組曲で、私が特に好きで覚えてるのは、1曲目の「スピリチュアル」ですが。
これが、とても打楽器的で素朴で、すご~く好きだったんです。

独身時代、毎年お正月に参加してた、高校吹奏楽部のOB新年会でお話したせいかどうか、
康英さん(私たち後輩は、みなこの呼び方をするんです。誤解のないように)のコンサートに
伺って、そこで聴いたこのピアノ曲が気に入った、というお話をしたら、
…わざわざ楽譜を送ってくださった、ような気がします。

今確認したら、この「ケニアン・ファンタジー」、私が聴いて、楽譜を持ってるピアノ連弾版
以外にも、いろんな編曲があるようで…サックスとかね。…
…作曲年が、あぁ確かに、私の独身最後の年だわぁ(笑)

そういえばこの時、昔私がヤマハで作曲したものが、出版されていたので、
康英さんが「1曲でも出版されていれば、作曲家協会に入会できるよ。すれば?」と
熱心に勧めて下さったのですが…私にはそんな資格もなければ、将来これから作曲家になる
はずもない、と思っていたので…とんでもないです、と固辞?(笑)したんでした。

高校吹奏楽部のOB会には、結婚以来、1度も出ていません。
お正月は、いつも夫の実家にいるので。
康英さんはもう、そんなことを言ったなんて、絶対覚えてないと思います。
いやこんな後輩がいたことすら、もう覚えていないと思うな(笑)
遠い昔のお話です…。
by Caroline-h | 2005-08-06 01:30 | 音楽(昔のこと)